最低限書くこと

 読者の立場として、場面ごとに最低限書いて欲しいことです。
 同時に、私が作者として気をつけていることでもあります。

 よく言われるのが、5W1Hです。
「いつ・どこで・だれが・なんのために・なにを・どうした」したかというやつです。

 いつ:現在のことか過去のことか。昼か夜か。季節はいつか。などなど
 どこで:登場人物のいる場所。屋内か屋外か。
 だれが:主軸の人物
 なんのために:その場面での目的(目的やテーマのない場面はいらない)
 なにを:何を
 どうした:動作

 下二つの説明は適当になってますね。

 朝(いつ)、玄関口で(どこで)、アオシが(誰が)、外に出してもらうために(何のために)、扉を(何を)、引っかいた(どうした)。

 これは絶対ですね。
「いつ・どこで・だれが」の三つは、場面が始まって五行以内には出して欲しいところです。
 特に「だれが」というのは、出来るだけ早く出したほうがよいと思います。

 あとは場面の重要度にもよりますが、他にも描写を加えて肉付けします。
 私は、季節とか天気とかも書かないと落ち着かない人間です。体感温度が暖かいか寒いかとかも欲しいです。
 あとは、視点となる人物の感情も欲しいです(機嫌がよいのか悪いのかくらいは)。

 春の暖かい朝、我が家の玄関口で、縞猫のアオシが、家の外に出してもらうために、重たい玄関扉を、一生懸命に引っかいた。

 読者の頭には真っ白なキャンバスしかないわけですから、作者はできるだけ画面が埋まるように描写を連ねる必要があります。

 ただし。
 私は逆に、細かく書きすぎて、「くどい」「りぐい」とよく言われます(涙)。
 あまり書き込みすぎず、適度な省略を用いて、読者に想像の余地を残すことも大切です。
 私にはできてないけどね!

 あえて背景を謎にしておきたい場面もあるかと思います。そういうのはもちろん例外です。

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