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春のうららかな午後、ルドルフは道を散歩していました。
(今日は本当にいい天気だな)
気分がよくてルドルフは鼻歌を歌いました。
ふと前を見ると、道の向こうから大きなトラねこが歩いてきました。トラねこはふんぞり返りながら歩いています。
(この世に俺より偉い猫なんているわけがねえ)
トラねこの自信は全身からあふれ出しています。
すれ違いざま、ルドルフとトラねこの肩がぶつかりました。
ルドルフはしまったと思いました。トラねこの顔が明らかに怒っていたからです。事実、トラねこは怒っていました。こんなルドねこは許せないと思いました。
「あ、ごめん」
「ごめんじゃねーッ」
謝るルドルフのほっぺたに、トラねこの豪腕が飛び込んできました。ルドルフは吹っ飛び、道の脇に流れるドブ川に落ちてしまいました。
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春のうららかな午後、ルドルフは道を散歩していました。
(今日は本当にいい天気だな)
気分がよくてルドルフは鼻歌を歌いました。
ふと前を見ると、道の向こうから大きなトラねこが歩いてきました。トラねこはふんぞり返りながら歩いています。まるで全身から自信があふれ出してるかのようでした。
すれ違いざま、ルドルフとトラねこの肩がぶつかりました。
ルドルフはしまったと思いました。トラねこの顔が明らかに怒っていたからです。事実、トラねこの顔は怒りに歪んでいました。
「あ、ごめん」
「ごめんじゃねーッ」
謝るルドルフのほっぺたに、トラねこの豪腕が飛び込んできました。ルドルフは吹っ飛び、道の脇に流れるドブ川に落ちてしまいました。
同一場面内では、視点となる人物を変えないほうがよいです。
視点移動のリスクとしては、
・いきなり変わると誰の思考を書いているのかわからなくなる。
・主人公の影が薄くなる
・相手側の心理がわかることでの謎や緊迫感の減少
などがあります。
少女マンガで相手役の気持ちががっつり初めからわかってしまったら微妙な気持ちになるのと同じです。わからないからいいんです。お互いの気持ちが。……というのが視点移動ご法度の理由です。
場面を切り替えたときの視点移動は問題ありませんが、あまりやりすぎると群像劇みたいになってしまいますのでそこは注意です。
プロの作品でも視点移動の激しいものはありますし、一概に悪いとは言えるものではないと思いますけどね。