その1 台詞は短く

 

 小説と違って漫画の紙面は限られています。見開き単位で絵と活字のバランスを考えなければいけません。
 フキダシばかりだと読むのが億劫ですし、長文になればなるほど文字が小さくなりインパクトがなくなります。
 また、フキダシの大きさには限界があるので、その中に収まる長さにまとめなければなりません。

 同じシチュエーションで発せられる言葉でも、私だと小説と漫画でこのくらい違います。

漫画:「俺が許す!」
小説:「くだんねえこと言ってんじゃねえっ! 神様が許さなくったって、俺が許す! だから帰ってこい、雨宮ぁっ」

 なんだこのシチュエーションは……雨宮って誰だよ。

 小説は台詞の長さに制約がないので(まあ地の文とのバランスなどは考えねばなりませんが)、ついだらだらと書きたくなってしまいます。
 言いたいことが全部書けるのが嬉しいですが、冗長にならないように気をつけないとならないと思っています。

 短くまとめようと努力することで、大切な部分が残るはず。逆に言えば、削ってしまえる部分というのは、本来はなくても済む部分だということです。
「本当に言いたいことは何なのか」を見きわめるためにも、台詞の一つ一つを洗練していくとよいと思います。

2、四コマはオトす

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