改行したら一マス下げる

ただし括弧は例外です。

・例文

×

春のうららかな午後、ルドルフは道を散歩していました。鼻歌交じりでとても機嫌がよさそうです。

すると、道の向こうから大きなトラねこが歩いてきました。すれ違いざま、ルドルフとトラねこの肩がぶつかりました。

「あ、ごめん」

「ごめんじゃねーッ」

謝るルドルフのほっぺたに、トラねこの豪腕が飛び込んできました。ルドルフは吹っ飛び、道の脇に流れるドブ川に落ちてしまいました。

 

 春のうららかな午後、ルドルフは道を散歩していました。鼻歌交じりでとても機嫌がよさそうです。

 すると、道の向こうから大きなトラねこが歩いてきました。すれ違いざま、ルドルフとトラねこの肩がぶつかりました。

「あ、ごめん」

「ごめんじゃねーッ」

 謝るルドルフのほっぺたに、トラねこの豪腕が飛び込んできました。ルドルフは吹っ飛び、道の脇に流れるドブ川に落ちてしまいました。

 

 理由は単純な話で、読みにくいからです。

 もう一つ例を挙げるので、下の文章を見てください。精読しなくてもよいんで。

 

しかし少女は学生で、学生である以上は学校に通わなくてはならない。二人のカーネルおじさんに見送られながら、少女は学校に向かった。いわゆる茜雲が空を浮遊する時間帯、少女は家に帰ってきた。二体のカーネルおじさんが門柱のごとく少女を迎えた。このようなときに限って少女の両親は旅行に出かけて家にいないのである。

誰にも相談することが許されない少女は、枕を濡らして世の不条理に耐えた。涙をこらえるには、その十歳の少女はあまりに幼かったのだ。

朝を迎え、日差しを取り込もうと部屋のカーテンを引いた時に、少女は壮絶な光景に言葉を失う。

庭全土をカーネルおじさんが埋め尽くしていた。

もうどこにも隙間が見つからぬくらいに、ぎっしりとカーネルおじさんが並んでいるのだ。少女の部屋は二階にあるので、その全体が良く見えた。

 

 ……字が詰まって読みにくいですよね?

 だからこうするのです。

 

 憤怒をもってカーネルおじさんを睨み付けていると、近所の格好いいお兄さんが挨拶をしてきた。少女も慌てて俯いたまま小さく挨拶を返す。

 お兄さんは、カーネルおじさんには気付いていないようだった。

 しかし少女は学生で、学生である以上は学校に通わなくてはならない。二人のカーネルおじさんに見送られながら、少女は学校に向かった。いわゆる茜雲が空を浮遊する時間帯、少女は家に帰ってきた。二体のカーネルおじさんが門柱のごとく少女を迎えた。このようなときに限って少女の両親は旅行に出かけて家にいないのである。

 誰にも相談することが許されない少女は、枕を濡らして世の不条理に耐えた。涙をこらえるには、その十歳の少女はあまりに幼かったのだ。

 朝を迎え、日差しを取り込もうと部屋のカーテンを引いた時に、少女は壮絶な光景に言葉を失う。

 庭全土をカーネルおじさんが埋め尽くしていた。

 もうどこにも隙間が見つからぬくらいに、ぎっしりとカーネルおじさんが並んでいるのだ。少女の部屋は二階にあるので、その全体が良く見えた。

 

 マシになっているはずです。

 読みにくい文章を無理して読んでくれるほど読者さまは優しくありませんので、面倒くさくても改行後は一マス下げましょう。

「・・・・は……に」 へ

創作論へ

1基本ルールへ

ホームへ戻るホームへ